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坂口孝則
経済安全保障がかつてないほど重要視されている。米中対立にコロナ禍、ロシアによるウクライナ戦争、円安に値上げ…サプライチェーンを混乱に陥れる外的要因ばかりだ。では実際に、サプライチェーンの修正・変更はできるものなのか。そこには、どんな困難が付きまとうのか。とりわけウクライナ戦争という未曽有の事態から学ぶべきことはなにか。私たちが教訓とすべきことを考えてみたい。

日銀が発表した3月の国内企業物価指数は、前年同月に比べて9.5%上昇し、39年3カ月ぶりの高水準を記録した。かつてサプライチェーンは「いかに値上げを抑える交渉をするか」が話題の中心だった。それがこのところ、「値上げを認めるのが当たり前」「いかに物量を確保するか」が主眼となっている。どんな品目の物価がどれくらい上昇しているのか、データをグラフ化し、上昇率の高い順から並び替えたランキングにしてみると、一目瞭然で分析できた。

筆者はウクライナ情勢の緊迫化を受けてから、ずっと各企業のサプライチェーン担当者と情報交換を重ねている。日本たばこ産業や住友電気工業のウクライナ工場は稼働停止となった。トヨタ自動車のロシア工場も、部品入手が滞るなどの理由で稼働停止を決めた。現時点で影響が明らかになっている事象のうち、筆者が注目する二大事象を解説する。

ウクライナ危機で企業のサプライチェーンにどんな影響が出るのか。とりわけ半導体と、中国~欧州をつなぐ物流関係者に不安と緊張が高まっている。エネルギー価格の急騰や、サイバー攻撃によって調達網全体にダメージを受ける可能性もある。サプライチェーンの専門家が現状と対処法を徹底解説する。

2021年のサプライチェーンは、世界の景気高揚によって需要が急増し、半導体や部材などの入手が困難になった。自動車やゲーム機などが市場に供給できなくなり、サプライチェーンが注目された。本稿では21年のサプライチェーンを振り返りつつ、22年のサプライチェーンの課題を予測する。
