米国の薬価抑制政策で新薬の日本上市が遅れる?「企業都合」の新ドラッグラグの是非Photo:PIXTA
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

「薬価に『オレゴンルール』は当てはまらないのか」

 中央社会保険医療協議会で、診療側の小阪真二委員(全国自治体病院協議会副会長)が繰り返し、問題提起している。オレゴンルールは、米オレゴン州の保健当局が90年代に考案した概念になる。限られた医療資源のうち「医療の質」「アクセス」「低コスト」の3要素を同時にすべて満たすことは困難なため、優先順位をつけて意思決定する必要があるという考え方だ。

 7月に続き、10月7日の中医協総会でも小阪氏は、この日の新薬収載の審議品目11成分14品目のピーク時予測(年間)の合計が1800億円を超えることを指摘したうえで、次のように力説した。

「創薬イノベーションで医療の質を上げ、ドラッグラグをなくしてアクセスを上げる。この2つを成り立たせると、最終的には低コストという医療費抑制は、理論的には成り立たないのではないか」

 これに対し、厚生労働省保険局医療課の大原拓薬剤管理官は「難しい話だが、創薬イノベーションと国民負担の軽減、それ以外にも安定供給も含めて、どうバランスを取って薬価制度を続けていくか、考えていきたい」と返答した。前任の清原宏眞氏も「医療の質を低下させないことが大前提」としつつ、3つともバランスを取ることが重要との考えを示していた。