カンザス州ローレンスにある食料品店内の投票所で投票用紙に記入する有権者 Photo: Nick Oxford/Bloomberg News
米国民の間で長い間くすぶっていた生活費高騰への不満が3日夜に一気に噴き出し、国内の政治地図を塗り替えた。物価上昇、深まる住宅危機、そしてガソリンを給油するたびに痛感する負担という2年間を経て、有権者は連邦議会の上下両院で民主党に決定的な勝利をもたらした。
「もううんざりだ」。メーン州ルイストンに住むロン・ベリューブさん(64)はそう語った。2020年の選挙では同州で共和党のスーザン・コリンズ上院議員に投票したが、今年は同氏を破った民主党のトロイ・ジャクソン氏に投票した。「多くの人がドナルド・トランプにうんざりしている。生活していけない。何もかも手が届かない」
AP通信の調査では、米国が直面する最も重要な問題として有権者の約39%が経済を挙げ、約90%が生活費は投票の際の重要または極めて重要な判断材料だと答えた。
経済への怒りは、3日の下院選での投票行動と密接に結びついていた。有権者の4分の3が経済状況を「あまり良くない」または「悪い」とみており、こうした有権者の67%が民主党候補に投票したのに対し、共和党候補への投票は29%だった。また約80%が、過去1年間にインフレによって家計が苦しい状況に陥ったと答えた。
食品、燃料、医療費の上昇が全米の有権者にとって大きな懸念事項であることがAP通信の調査で示されており、有権者は米経済の苦境の責任をドナルド・トランプ大統領に帰した。イランとの戦争に踏み切ったトランプ氏の決断は燃料価格を押し上げた。有権者の約3分の2が、同氏の関税政策は米経済に悪影響を及ぼしたとし、同じ割合の有権者が、トランプ氏によって経済状況は悪化したと答えた。
イラン戦争を巡る怒りも、共和党の牙城であるアイオワ州とカンザス州の上院選で民主党が勝利する一因となった。両州は農業州で、1人当たりの燃料消費量が多いため、ガソリンやディーゼル燃料(軽油)の価格上昇が特に大きな痛手となっている。
生活費の問題は、ノースカロライナ州とサウスカロライナ州で上院議席が共和党から民主党に移る要因にもなった。両州はいずれも、かつては住宅を比較的手頃な価格で購入できる場所とみられていたが、新型コロナウイルス禍を受けて住宅費が急騰し、有権者の不安を強めていた。







