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働き方や待遇への不満を理由に、主要メディアにおいて若手・中堅層の人材流出が止まらない。業績が改善する展望が見えず、他業種へ転職するケースも相次ぐ。各社はキャリア採用で人員補填に努めるが、それでも間に合わず、ある全国紙社員からは「少ない人数で業務を回す部署は珍しくない」という悲鳴も。では、現場で働くメディア関係者は具体的にどのような不安や不満を抱いているのか。ダイヤモンド編集部が若手・中堅世代の主要メディア関係者55人を対象にアンケートを実施し、本音を探った。連載『メディア興亡』の本稿では、3回に分けてメディア関係者が抱える「辞めたい」という気持ちの原因を暴いていく。初回は「キャリアと転勤」を焦点に、メディア特有の「将来設計の難易度の高さ」を考察していく。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)
メディア従業員が四半世紀で4割減少…
現在働く人の半分近くも「辞めたい」の声
主要メディアで働く人間は減少傾向にある。日本新聞協会がまとめた「新聞・通信社従業員数と記者数の推移」によると、2002年に全国の新聞・通信社で働く従業員は5万4015人、うち記者は2万0851人いたが、26年には従業員数が3万1124人(約42%減少)、記者は1万4345人(約31%減少)にまで減っている。この調査に答えた会社の数は02年に76社、26年に85社だった。サンプルが増えているにもかかわらず大きく人員が減っていることが分かる。
事実、現場からは深刻な声が届く。毎日新聞社の内部資料によると、25年春までの1年間に編集局だけでも退職などを理由に約40人が減った。複数の地方支局では、本来必要な人員よりも少ない人数で業務を回しているという(詳細は『メディア興亡』#3『毎日新聞「新賃金制度」に労使紛糾!2年以上続く議論に「希望が見えない」と退社する社員も続出』を参照)。複数の毎日新聞関係者によれば、離職の理由は「業務量に対する待遇の悪さ」が目立つという。
共同通信社に次ぐ国内2番手の通信社である時事通信社の若手記者は「うちは他社と比較しても特に離職者が多いため、取材現場に行くと他社から『いつ辞めるの?』と冗談で尋ねられる始末だ」と自嘲気味に明かす。
実際、今も各社で働き続ける「メディアサバイバー」の中でも、ネガティブな気持ちを抱く者が少なくない。全国の通信社と新聞社の労働組合が加入する日本新聞労働組合連合(新聞労連)が23年に実施したアンケート調査によると、加入社の組合員1021人中、約4割が「(仕事を)辞めたい」と回答した。
SNS上でも、メディアの従業員と思しき匿名投稿者を中心に、働き方への不満や、メディアの業績不振を報じるニュースを引用して「希望がない」との旨をぼやく声が多数見受けられる。
しかし、人材流出の原因は「待遇への不満」や「業績への不安」といったありふれた理由だけが全てなのだろうか。実態に迫るため、ダイヤモンド編集部は主要新聞社、通信社、テレビ局、出版社で働く20~40代の若手・中堅世代をターゲットにアンケートを独自に実施した。
質問はシンプルに「キャリアや働きがい、ハラスメント、経営環境に対する不安、人材流出といった現場で現在感じている悩みを教えてください」という1問に絞った。各地で報道、営業業務に従事する計130人にアンケートを送付したところ、うち55人からの回答を得た。見えてきたのは「待遇への不満」や「業績への不安」に限らない、メディア業界にまん延する根深い「三つの課題」だった。
本稿では三つの課題のうちの一つ「キャリアと転勤」に関わる悩みにフォーカスする。次ページでは実際に寄せられたアンケート回答から、切実な「キャリアプランを描く困難さ」を明らかにしていく。







